正直に言います。子どもが7歳になったとき、親としての自信過剰で大失敗しました。
「11年も登山してるし、子どもを山に連れていくなんて簡単だろう」——そう思ってました。嫁には「また山?」って言われるし、もう子どもにも一緒に山の楽しさを教えてやろう、くらいの気持ちでした。ぶっちゃけ、自分のペースで考えてた。
選んだのは各務原アルプスの日帰りコース。愛知県内だし、時間も短いし、子どもの「パパと一緒に山に登りたい」という言葉が嬉しくて、勢いで計画してしまった。子どもは最初、すごく楽しそうにしてました。でも…。
最初の1時間で気づくべきだった
子どもは確かに歩けるんですよ。でも、ぼくの「歩く」と子どもの「歩く」は全然別の話だった。階段を1段上がるのに大人の2倍以上の時間がかかるし、ちょっと疲れたら休みたくなる。水が飲みたい。足が重い。そういう小さなことの積み重ねが、ぼくの予定表を完全に壊してました。
1時間目で、子どもはもう疲れ始めてた。なのに、ぼくは「まだ1時間?大丈夫、まだまだ」なんて言ってたんですよ。今思うと、この瞬間が全ての始まり。親としての自分勝手さ、子どもの状態を見ないで自分の計画を優先した、その典型例です。
行動食も、ぼくは登山用の栄養バーやドライフルーツを用意していたんですが、子どもが欲しいのはチョコレートとアメ。行動食の選び方から全て大人目線だった。あのとき、子どもが何が食べたいのか、どんなペースなら楽しいのか、聞いてればよかった。
「パパ、足が重い…」が全てを物語ってた
2時間目を過ぎた辺りで、子どもが言いました。「パパ、足が重い。もう歩けない。」ってね。
その瞬間、ぼくは焦りました。なぜなら、頂上までまだ1時間半あるのに、もう限界に達してる。ここからどうすればいいんだろう。山頂を目指すんじゃなくて、子どもを連れて下山する…そういう選択肢があることに、ようやく気づいた。
親としてのプライドだけで、「頑張ればあと少しだよ」なんて言うこともできたかもしれない。でも、子どもの表情を見たら、それはできませんでした。疲れてるんじゃなくて、もう楽しくないって顔をしてたんですよ。
その日、ぼくたちは途中から引き返しました。到達距離は全体の3分の1。子どもが泣きながら下山する姿は、今でも思い出すと胸が痛い。嫁には帰ってから何も言えませんでした。「また山?」って言われるのが怖かったから。
あのとき後悔した3つのこと
1つ目は、子どものペースを一切無視してた
大人が45分で歩く距離は、子どもには2時間かかるかもしれない。それを最初から計算に入れてなかった。子どもの足の長さ、体力、集中力、全てが大人とは違う。そりゃそうですよね。11年の登山経験がある自分と、初めての子どもを同じに考える方がおかしかった。
今なら、子どもが「休みたい」って言ったら、それは親の計画を変える理由になるって分かります。
2つ目は、事前の準備が甘かった
いや、正確には「自分の準備」ばかりしてて、「子ども用の準備」をしてなかった。水の量、スナック、衣類、休憩の場所…全てが大人基準でした。子どもと登山デビューするなら、子どもの体力を考えた コース選びが絶対に必要だった。
あの日、ぼくが子どもに用意したのは栄養バーとスポーツドリンクだけ。子どもが本当に欲しい、食べやすいおやつを用意してなかった。これも、自分勝手でしかなかった。
3つ目は、子どもの気持ちを最後まで無視した
子どもが「足が重い」って言った時点で、子どもは楽しくないんですよ。頂上に着くことが目的じゃなくて、一緒に山を楽しむことが目的のはずなのに、ぼくは頂上到達にこだわってた。大人の自分の満足感を優先していた。
子どもが山を嫌いにならなかったのは、本当に幸運だと思う。あの日、「もう山には行かない」って言われてても、文句は言えませんでした。
それからぼくが変わった3つのこと
あの失敗から、もう2年経つんですが、その後の子どもとの登山は全く違うものになりました。
1つ目は、短いコースを選ぶこと。往復90分以内で、ゆるい勾配の山ばかり。子どもが「疲れた」って言う前に帰宅できるくらいの計画を立てます。これくらいの方が、子どもも楽しいし、親も気持ちに余裕がある。
2つ目は、子どもが好きなおやつを用意すること。登山用の栄養バーなんて子どもは食べません。チョコレート、アメ、ラムネ、そういった子どもが本当に欲しい食べ物を用意する。そっちの方が、休憩時間も楽しい。
3つ目は、頂上到達を目指さないこと。子どもとの登山は「歩く」ことが目的でいい。途中で見つけた面白い石、虫、綺麗な景色、そういったものを一緒に楽しむ。それで充分だし、その方が子どもは山を好きになります。
今、気づいたこと
ぼくが登山を続けるのって、山の絶景だけが理由じゃなくて、その過程で体と心が鍛えられる感覚が好きなんだと思う。でも、子どもにとっての登山は全然違うんですよ。親と一緒に過ごす時間が大事なんです。
「また山?」って嫁に言われるたびに、ぼくはちょっと反発してました。でも、子どもを連れて失敗してから、気づいたんです。親として、子どもの時間を大事にしながら、自分の趣味も続ける…その難しさを。
子育てしながら登山を続ける方法って、実はそんなに難しくない。ただ、子どもペースを受け入れることと、大人としてのプライドを少し捨てることだけ。
先週末、子どもは「パパ、また山に行きたい」って言ってくれました。その瞬間、あの失敗は本当に良い教訓になったんだなって思った。同じ失敗を誰かがしてくれなくていいように、ぼくはこうして書いてるんです。
子どもと登山したいなら、大人の計画は一度忘れて、子どもが何を感じてるのか、どんなペースが楽しいのか、そこから始める。それだけで、登山はもっと楽しくなるし、親子の時間も深くなります。
登山歴10年以上・30代会社員パパ
テント泊縦走が大好きな30代の会社員パパ。週末に家族と過ごしながら、月1〜2回のペースで登山を継続中。10年以上の経験をもとに、登山初心者が失敗しないための情報を発信しています。

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