夏の低山を歩いたあと、腕と首の後ろだけ赤くなっていた。そんな夏はもったいないです。
結論から言うと、夏山の日焼け対策で効くのは「日焼け止めを塗る」より先に「布で覆う」ことです。アームカバー・ネックゲイター・帽子・サングラスの4点は、どれも軽くてザックの場所を取りません。この記事では、それぞれの選び方を「UPF」「UVカット率」といった表示の意味から整理します。
低山でも紫外線が強いのはなぜ?
「高い山じゃないから大丈夫」と思いがちですが、山は街より紫外線が強い場所です。紫外線の量は標高が1000m上がるごとに約10%増えるとされています(日本気象協会・気象庁の解説より)。標高3776mの富士山の山頂だと、平地より4割ほど強い計算になります。
標高1000m前後の低山でも1割増。そこに、夏の日差しの強さ、樹林帯を抜けた尾根の照り返し、そして数時間ずっと外にいるという時間の長さが重なります。街での30分の外出とは条件が違うわけです。
それに、日焼けは肌が痛いだけの話でもありません。強い日差しの下を歩き続けると、それだけで消耗します。日よけは、体力を残すための装備でもあります。
まず知っておきたい「UPF」と「UVカット率」の違い
UV対策ウェアを探すと、「UPF50+」「UVカット率99%」という2つの表示が出てきます。似ていますが、見ている角度が違います。
| 表示 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|
| UVカット率(紫外線遮蔽率) | 生地がどれだけ紫外線を遮るか | 90%以上、できれば99%以上 |
| UPF | 着ることで日焼けするまでの時間が何倍になるか | UPF50+(最高等級)が安心 |
たとえばUPF30なら、その生地に覆われた部分に届く紫外線が約30分の1になる、というイメージです。どちらの表示でも、数字が大きいほど遮る力が強いと覚えておけば十分です。
もうひとつ。UVカットには「生地そのものが紫外線を通しにくい素材タイプ」と「後から加工でUVカット性能を足したタイプ」があります。加工タイプは洗濯を繰り返すと効果が落ちていくことがあるので、長く使うつもりなら素材タイプのほうが安心です。
① アームカバー|腕は面積が広いので効果を感じやすい
半袖で歩くなら、最優先はアームカバーです。腕は日に当たる面積が広く、しかも自分では日陰を作れません。長袖を着るより暑くなったら外せるのが利点です。
- UPF50+ またはUVカット率90%以上:まずここを見る。表示がない製品は性能が分かりません
- 手の甲・親指まで覆える形:最近は親指を通す穴があり、指先は出せる形が主流。手の甲は塗り忘れやすい場所なので、布で覆えると楽です
- ずり落ちにくいか:腕の付け根がゴムや滑り止めになっているタイプは、歩いている間に下がりにくい
- 接触冷感や吸汗速乾があるか:夏は「涼しく感じるか」が使い続けられるかを左右します
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汗をかく季節なので、洗い替えに2枚あると回しやすいです。濡れたまま次の山行に持っていく、ということがなくなります。
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② 帽子|ハットとキャップ、どっちがいい?
日よけの性能で選ぶならハットです。つばが一周しているので、顔・耳・首の後ろまで影を作れます。夏の低山で首の後ろが焼けるのは、キャップだと後頭部から首元が無防備になるからです。
- ハット:日よけ重視。つばが広いほど影は大きいが、風であおられやすい
- キャップ:視界が広く風の抵抗が少ない。首の後ろは別で覆う前提になる
- あご紐(ストラップ)付き:尾根の風で飛ばされないために、夏山ではほぼ必須
- 通気とベンチレーション:メッシュや穴があると頭に熱がこもりにくい
迷ったら、あご紐付きのハットが無難です。キャップが好きな人は、次のネックゲイターと組み合わせれば同じところをカバーできます。
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③ ネックゲイター|首の後ろと顔まわりの守り
ネックゲイター(ネックゲーター)は、筒状になった首用の布です。日焼け対策としては、キャップの弱点である首の後ろを埋める役と考えると分かりやすいです。
- 引き上げれば鼻から下・頬まで覆えるので、顔の日よけにもなる
- 砂ぼこりや虫が気になるときにも使える
- 薄手で軽く、使わないときはポケットに入る
- 夏用は接触冷感や薄手メッシュのものが快適。厚手のフリース素材は冬用なので夏には暑すぎます
顔まで覆うときは、通気が悪いと息苦しく感じます。夏に買うなら「薄手・通気」と書かれているものを選んでください。
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④ サングラス|レンズの濃さとUVカット率は別の話
目に強い光が入り続けると、それだけで疲れます。日差しの中を数時間歩く夏山では、サングラスは意外と体力に関わる装備です。
ここで一番間違えやすいのが、「レンズの色が濃い=紫外線を防げる」ではないということ。色の濃さは眩しさの調整、紫外線カットはレンズの機能で、別物です。安いファッション用の濃いレンズは、眩しさが減って瞳孔が開くのに紫外線は入る、ということも起こりえます。
- UV400、または紫外線カット率99%以上の表示があるものを選ぶ。ここは妥協しない
- 可視光線透過率(VLT):一般的な夏の登山なら15〜30%程度が目安。曇りや樹林帯が多いなら30%台のほうが見やすい
- 偏光レンズ:水面や岩の照り返しのちらつきを抑える。1本目にはオールラウンドな偏光タイプが使いやすい
- 顔にフィットする形:隙間が大きいと横から光が入ります。軽さとズレにくさも歩き続けるなら大事です
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⑤ 日焼け止めは「覆えない場所」担当
ウェアで覆ってしまえば、日焼け止めを塗る範囲は減ります。それでも顔・耳・首の前・手の甲などは残るので、そこは日焼け止めの担当です。
- 汗で落ちるので塗り直しが前提。休憩のたびに塗り足すくらいの気持ちで、小さいサイズを1本ザックに入れておく
- ウォータープルーフ(汗・水に強いタイプ)が山では向いています
- 塗り忘れやすい場所:耳、耳の後ろ、首の後ろ、手の甲、鼻の下(照り返しで下からも当たります)
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もちろん、これだけやっても日焼けをゼロにできるわけではありません。ただ、覆う・遮る・塗り直すを重ねるほど負担は軽くなります。強い日差しの時間帯(昼前後)に長い休憩を日陰でとる、というのも立派な対策です。
まとめ|軽い4点から始める
夏低山のUV対策は、高い買い物ではありません。優先順に整理します。
- アームカバー:面積が広い腕から。UPF50+か、UVカット率90%以上を選ぶ
- あご紐付きのハット:顔・耳・首の後ろまで影を作れる。キャップ派はネックゲイターで補う
- ネックゲイター:首の後ろと顔まわり。夏は薄手・通気タイプ
- サングラス:色の濃さではなくUV400・99%以上カットで選ぶ
- 日焼け止め:覆えない場所だけ。塗り直しが前提
合わせて読むなら、汗冷え対策のベースレイヤー・ドライレイヤーの選び方と、水分・塩分の備えをまとめた夏山の熱中症対策グッズ7選もどうぞ。夏山の快適さは、この3つがそろってようやく形になります。
全部を一度にそろえなくても大丈夫です。次の山行までにアームカバー1組と帽子だけでも、下山後の腕の色はたぶんだいぶ変わります。
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登山歴10年以上・30代会社員パパ
テント泊縦走が大好きな30代の会社員パパ。週末に家族と過ごしながら、月1〜2回のペースで登山を継続中。10年以上の経験をもとに、登山初心者が失敗しないための情報を発信しています。

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