こんにちは、どらいちです。今回は富士山で経験した雷との遭遇と、そこから学んだ夏山の天候判断について解説します。
この記事でわかること:
- 夏山の雷がどれだけ危険か、実体験から学べる
- 天気予報の見方と現地の天候判断のズレ
- 引き返す判断をしてよかったこと、後悔しなかった理由
この記事は「夏山登山を計画している人」「富士山に挑戦予定の人」「天候悪化時の判断基準がわからない人」向けに書きました。
1. 7月の富士山、天気予報は「晴れ」だったのに
去年の7月中旬、仕事終わりの金曜夜に愛知を出発して富士山に向かいました。嫁からは「また山?」の常套句をもらいながら(笑)。天気予報は上々で、土曜日は晴れマーク、気温も20℃と書かれていたんです。
五合目に着いたのは翌朝6時。視界は良好、気持ちいいくらいの晴天でした。山頂までのコースタイムは標準で7時間。正午には山頂、下山は夕方という予定で出発したんですよね。わかります、その気持ち。夏山だし、天気予報も晴れだし、大丈夫だろうって。
ところが、ここまで順調だったのが仇になった。8合目に着いた時点で時刻は午後2時。もう天空はどんよりとしていて、遠くで「ゴロゴロ」という音が。最初は風かなと思ったんですが、だんだん近づいてくるんです。
実際に富士山で雷に遭遇するまで、僕はこの危険性を甘く見ていました。雨具は持ってたし、テント泊じゃなくて山小屋だから安全だろう、くらいの感覚だったんです。ぶっちゃけ、その判断が一番危ない。
2. 気象の急変、8合目から9合目への30分で空が豹変
8合目の避難小屋に着いた時、空の色は完全に紫色に変わっていました。風速も一気に強まって、体が揺らぐくらい。天気予報では「午後3時まで晴れ」って書いてあったのに、時刻は2時30分。あと30分で天候が回復するはずだったんです。
でも、その予報は外れた。むしろ悪くなった。8合目の小屋番さんが外に出て、「今から登るのはやめとけ。雷が来てる」と言ってくれたんです。その言葉で気が付きました。山頂까지 あと2時間。天気が悪化している状況で、露出した稜線に出るのは自殺行為だってことに。
実は富士山の雷は特に危険で、山頂付近は標高3,776mで、周囲に高い山がない。つまり、雷の的になりやすいんですよね。そこに向かって登り続けることの怖さが、ようやく脳に入ってきた。
引き返す決断をしてみてください。その時点では悔しいし、山頂まであと少しって気もするんですが、後になって「あの判断が正解だった」って必ず思います。僕もそうでした。
3. 下山中に鳴り響く雷、稜線で絶対に停止してはいけない理由
8合目から5合目まで、標高差約1,500mを2時間かけて下りました。その間、ずっと雷の音がしていたんです。「バリバリバリ」という音。時には「ドーン」という爆発音みたいな音も。
下山中に何度か思ったのが、「稜線に居続けることの恐怖」です。富士山は砂走りになっている部分が多いから、雨具を着て足を進めることはできるんですが、万が一落雷があれば、露出した稜線にいる限りは助かりようがない。
実際、ニュースで見たことあります?山での落雷事故って、大体が「稜線で停止していた」ときに起きるんです。体を小さくして待てばいいって説もありますが、正直なところ、そんなの焼け石に水。雷が来ればアウトです。
だからこそ、雷が近い時点で「引き返すor停止」の判断をしなければいけない。僕の場合は8合目で判断したから、まだ小屋に逃げ込める場所があった。もし9合目まで行ってたら、下山中に雷に遭ったときに逃げ場がなかったかもしれない。
4. 天気予報と現地のズレ、夏山では「午前の天気=夕方も晴れ」は大嘘
あとで気象学者の説明を読んだんですが、夏山特に標高が高い場所では、「熱が上昇気流を作って、午後に急速に雲が発達する」ってことが多いらしいんです。
つまり、朝の天気予報で「晴れ」でも、午後2時以降に急に悪化することがある。富士山みたいな高い山ほど、その傾向が強い。下界は晴れてても、山頂付近では積乱雲が発生してるってわけです。
夏山登山を計画するときは、「午前中の天気」だけじゃなくて、「午後3時以降の予報」を重視してみてください。ウェザーニュースとか山の天気予報専門サイトをチェックして、「午後の降水確率」を見るんです。50%以上あれば、引き返すor短いコース取るっていう判断ができる。
5. 子どもができて登山回数が激減した僕だからこそ学べたこと
実は、子どもが生まれる前は月に1、2回は山に行ってました。テント泊縦走もよくやってた。でも今は子育てで精一杯だから、年に4、5回しか行けないんです。
その中で気づいたのが、「無理をする必要がない」ってこと。月1回登れるなら、リスク取ってでも山頂を目指す価値がある。でも年5回だけの貴重な登山なら、「安全に山を楽しむ」ことの方が大事。子どもも親になってくれたから、変な死に方だけはしたくない(笑)。
富士山で下山を選んだとき、最初は「悔しい」という感情が強かったです。山頂が見えてるのに、あと2時間なのに…って。でも帰宅してから妻に報告したら、「良い判断した」って褒められたんですよ。親になると、その言葉の重みが違うんですね。
次の山行きでリベンジしようって気持ちで、気楽に構えてみてください。山は逃げませんから。
6. 雷対策、持ち物と行動判断の2つで命が変わる
夏山で雷に遭遇するリスクを下げるには、2つの対策があります。1つは「持ち物」で、もう1つは「行動判断」です。
持ち物は 登山の持ち物チェックリスト で詳しく書いてますが、最低限は「雨具(合羽)」と「下山を判断する時間設定」。富士山なら、午後1時までに山頂に着けない場合は即下山、っていうルールを決めておく。
行動判断は、天気予報をチェックしたあと「現地の空を見る」ってこと。雲の色が紫色になってたら、それは「もう遅い」のサイン。その時点で稜線に出てる場合は、即座に下山or避難です。
実は、登山で死ぬ人の大半は「後30分」「あと少し」っていう慢心で、判断を誤ってます。富士山の雷で引き返したのは、人生最高の判断の1つだと今は思っています。
7. まとめ
長い記事を読んでいただきありがとうございます。夏山の天候判断は、「天気予報+現地観察+時間ルール」の3つで成り立っています。富士山で雷に遭遇し引き返したことは、悔しい経験でしたが、その後の登山人生を大きく変えた出来事になりました。
ぜひ参考にしてみてください。夏山シーズンはこれからが本番。安全第一で、登山を楽しんでくれれば幸いです。もし同じような場面に遭遇したら、引き返す勇気を持ってください。
春山の注意点7選 にも季節別の安全対策を書いてますので、合わせてお読みいただければと思います。
登山歴10年以上・30代会社員パパ
テント泊縦走が大好きな30代の会社員パパ。週末に家族と過ごしながら、月1〜2回のペースで登山を継続中。10年以上の経験をもとに、登山初心者が失敗しないための情報を発信しています。

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